不香の花

不香の花 – Renka mix

 

 [ 不香の花 ]

Word by Renka 2018.06.15

 

遠い地で 風花が舞ったと聞きました

こちらは初夏の薫り 便りの新緑が
これほどまでに 眩しい日射し
なのに 何故だか肌寒い今日この頃です

夏めく此の街に 涼し気な緑陰
茅花流し 冷夏な様に露涼し

遠い地の雪は 雪渓な情景なのでしょうか?
それとも 心の峰々が雪渓なのでしょうか?

夏の夕 寂しい月が涼し気な趣で
十六夜をぼんやりと見上げる
星の瞬きは 陽とは違う陰のよう
それは心が投影した世界なのか
少しだけ 温もりを欲す夜です

遠い地の雪は 何処かへ消えゆく頃でしょうか?
それとも 歩いた足跡さえ消し去る程でしょうか?

私は陽と共に歩きたい
穏やかな日射しと 暖かい眼差し
心に留め 待つも良いと思いたい
それとも 浮き世と思ひ捨つべきでしょうか?

遠い地で 風花が舞ったと聞きました

それは 涼し気な情景でしょうか?
それは 深雪厳しい儚さのようでしょうか?
それは 風花ではなく雪煙なのでしょうか?

私は
心が雪煙の不香の花で満ちていても

いつの日か
陽と共に歩きたい

心に留め
いつの日にと……

 

悲哀

Sound by R~ ver.

 [ 悲哀 ]

Lyrics by Renka 2018.04.14

 

月が欠けている
ツキヨミでは
まだ、その時ではないから

その分だけ空は暗く見えた
だからといって
星が輝いているわけでもない

目の前に広がる湖面に映る光も
ぼんやりと儚げに揺れていた

世の中には
欠けると意味がない物が多い
靴や箸や手袋など

もちろんすべてが対でできてはいない
でも
そんなことが頭をぐるぐるしているのは
私の隣にいつもあると思っていた存在が
欠けているから

それは寂しいという感覚ではなく
ぽっかり穴が空いたかのように
その空間を埋める存在が必要不必要
そんな事すら考えられないほどに
悲哀を感じるだけの今で……

こんな今は願いをかける流れ星さえも
見えることはないだろう
心の雲は厚く
見える空さえも陽炎のようで

流れの無い湖面に
そっと笹小舟を浮かべた
儚く流れに逆らうほど強くも無く
控え目で自然に身を任せて動く
しかし簡単には沈まない強さがある

だけれど湖面の笹小舟は
どこへ旅立つ事が出来ようか?
浮いたまま
それは朽ちてゆくだけの
存在なのかもしれない

今の私の心にように

縋る夢

Sound by ~R.mix

 [ 縋る夢 ]

Lyrics by Renka 2018.03.12

 

縋る想いを 心に留めた
ひと時の夢でも みてみたくて

そして哀しみを そっと飛ばすわ
帰らぬ想いに縛られぬように

糸を紡いで 待ち焦がれた
絆を信じて だけれど

この世は遷ろう
私を取り囲む 記憶はただ
ただ想いが永遠のまま
過ぎていた

 

日暮れ時の 暖かい灯り
命を宿す夢を 心に抱いて

花も想いも掠れ 今は縛る永遠
独り零れた雫が灯りに落ちる

紡いだ夢は 記憶の彼方
信じた撚りは ほころんで

そして暗闇の中 気がついた……

この世は遷ろう
私を取り囲む 記憶はただ
ただ想いが永遠のまま
過ぎていた

この世は遷ろう
紡いだ撚りは 縋る夢
過ぎた永遠の想いは
零れた雫が……

灯りに落ちて
ただ 消えた

 

Christmas Eve の 奇跡

Sound by When you smile, you are smiling…~ r.

 

ふぅ……

こうしてペンをとるのも何度目でしょうか。

 

あなたにこうして出せない手紙で、
引き出しの中からあなたの想い出、
溢れてきそうです。

外は銀世界、
同じく見える星空の下だけれど……。

あなたも同じ、
空。
みていますか?

同じ、
星空。
一緒に見たいです……

 

私と彼は札幌で出会った。

何かと仕事で忙しい彼は、
すぐ会いたいとすねる私に、
いつも優しい笑顔で微笑んでくれた。

その笑顔は、
どんなプレゼントにも変えられない笑顔だ。

ゆっくりと時間をとって、
デートをする事も少なかったけれど、
心通う愛はどんな物にも負けはしない。

そう2人思っていた。

 

「遠距離?」

 

始めは、その言葉を意味する事を素直に
受け止められなかった。

信じられなかった。
いや信じたくなかった。

彼は会社でこの札幌から横浜へと
転勤を命じられたのだ。

もうすぐ冬、
私には辛い宣告だった。

 

いつしか、そんな彼に

「なぜ?」

駆け寄る私自身……

「遠距離」

と、いう言葉に戸惑いばかりが巡っていた。

 

「しょうがないだろ!」

いつしか、私達の仲に溝が出来たような気がした。

 

あんなに好きな彼なのに、
こんなに好きな彼なのに、

クリスマスは一緒にすごすって、
お互い決めていたのに……

 

そんな中、彼は横浜へ。

 

1人がこんなに寂しいとは思ってはいなかった。

街は12月。
クリスマスで染まった街並みに、
私は想い出の涙を浮かばせた。

途絶えがちになった彼との連絡……

やはり遠距離って駄目なのかな?
なぜだか、そう思うようになってきていた。

 

いつしか明後日はクリスマス。

部屋にいる時間が増えたような気がして、
少し街に散歩に出てみた。

華やぐ季節。
街はキラキラと輝いてみえた。

私は街の輝きが増す前に帰路についた。

 

よくデートの日の前とかに作ったっけ、てるてる坊主。

雨が降りませんようにって。

アハハ……
大きなてるてる坊主も作ったっけ。

それは、
私の家に行くための道の階段をゆっくり、
登っていくと見えてくるんだ。

今は彼と逢えますようにって、
一人作ってる。

 

今すぐ逢いたい……

どれくらい待てば逢えるの……?

そう思うたび、
心が締め付けられる思いがした。

あなた今頃、何をしているのでしょう?

電話も、ぜんぜんしてないから声も忘れちゃった?

クリスマスまでには、
間に合うように私の元へ帰ってきて……

きっと
そんな願いが、

今言える、すごく背伸びした笑顔の私。
すごく脆いけど、せいいっぱいの笑顔。

 

 

1人イブの日、
街に出た。

やはり、私には辛すぎる。

サンタさん今年は何もいりません。
彼に逢わせて……

その願い、

ずっと遠い彼の元に届くかしら?

だって……。

最高のプレゼントはあなたなのよ?

 

そんな秘めた想いを押し殺すように、
だけれど少し願いながら、華やいだ街を抜けて、
家に抜ける道の階段をあがっていく。

階段の踊り場、少し粉雪が舞う。
ヒラヒラと……

 

誰かの倖せを祝福するかのように。

 

私はその結晶を見ようと手のひらに置いた。
でも、すぐ溶けてしまう。

それは、彼との終わりを告げるようにも思えた。

少し願っていた、
心に秘めた押し殺した想いさえ、
儚いうたかたの夢のように溶けていく……。

頬に一筋の想い出への道が出来た。
その道を、次々と溢れるように流れていく雫。

頭を振っても
粉雪舞う空を目を瞑ってみるかのように上を向いても、
その道を、次々と溢れるように流れていく。

私は、何かを振り切るように足早に階段を駆け上がる。

 

 

……。

アハハ……。

この辺からてるてる坊主が見えるのよね。

あなたに会えるようにと、
短冊のように作った、てるてる坊主……

いえ、覚えのある顔!?

 

「おかえり (^^)」

 

見慣れたはずの、あなたの笑顔。

今はとっても懐かしい笑顔。

最高のクリスマスプレゼント。

ありがとう……。

 

 

なんだか涙で、歪んで見える笑顔。

でも、とっても懐かしい見慣れたはずの笑顔。

 

「どうしたの?」

なんて、
突拍子もない私。

 

「もちろん、プレゼントを貰いにきたのさ……
その、君の最高の笑顔をね」

彼が言う。

 

 

外には、まだ粉雪が舞っていた。

そう、プレゼントなんていらない。

最高のプレゼントは……

 

恋人の笑顔なのです。

 

 

It always seems impossible until it’s done….

Love begins with a smile.

When you smile, you are smiling.

 

I wish you a Merry Christmas……

 

想い募れり – 痕跡 –

Sound by Love for memories ~ r.

 

窓の外
ざわざわした音が消えたね
窓際に行くと 雨の上がった匂いが少ししたよ

白い石畳に 美しい初夏の光
きっときっと忘れられるよね
つかんだその手はいつも消えていくのに
自分という存在は残ったまま

 

いつもの街並みで
隣同士で歩く2人組を見かけては
いいな
そう思っていたわ
私達もそう出来るんでしょう?

ねぇ……
別に昔のこととか これからのこととか
今はいいの 少しだけ側にいさせて

少しの間だけ あなたの恋人で
喧嘩したり 笑ったり すねたり 泣いたり
みんな よくやっていることでしょう?
私もそれがしてみたいだけ

 

だけれど……

悲しい話を聞いても
私はあなたじゃない
私はワタシでしかない
あなたを救ってなんてあげられないんです

救って欲しいとも思っていないのでしょう?
あなたはそのまま眠ればいい

報われないまま
愛しい人の躯と一緒に郊外の小さな森で
ひそかに眠るのです

悲しみに暮れたまま
あなたは生を終えてしまうの

そこで私のあなたの物語はおしまい

この先
誰かがあなたを倖せにするかもしれない

でも……
私のあなたの物語はそこでおしまいなの

悲しみに暮れたまま
あなたは生を終えてしまうの

 

あなたと過ごした無邪気な時間
忘れないよ

私を見つめた
くるくるとよく動く
すこし潤んだ瞳

見上げたら
どうしたのって顔で
首をかしげたね

繋いだ手は離れていって
もう二度と繋がれることはないんだよ

想い出の中の瞳
こんなに時間が過ぎていって
霞んで行くのに

その瞳だけ
忘れられないよ

残酷すぎる時間の流れと
風化してゆくもの
永遠なんて無いんだね

 

本当は
1日だけの恋人でいい そんな風に
わがまま言わせてとお願いしたかった
優しいあなたは 叶えてくれそうで……

でも……
私のあなたの物語は終わってしまったの

 

ごめんね 気にしないで

 

でも

その瞳だけ

今でも忘れられないよ

 

I miss you when I can’t sleep

sound by …I miss you ~r.

 

ねぇ……

 

そんなに哀しい瞳にならないで

「ご縁」というのは、そのような事だから

貴方の心の中の存在の

その人は、私より大きくなっただけ

ただ、それだけの事

だってほら、私にもありえるじゃない?

だから……

そんなに哀しい瞳にならないで

 

 

大丈夫だから!

なんて、そりゃ今すぐには言えないけれど

でも、大丈夫だよ

私は少なくとも、貴方の倖せを願っていたわ

だから……

そんなに哀しい瞳にならないで

その笑顔絶やさないで

 

 

人は倖せになるために

この世に生を受けた

泣いて怒って笑って

人に恋して……

いろんな感情がぶつかり合って

でも、悲しくて一人涙流す日もあって

そんな、日常の繰り返しもあるけれど

やはり貴方には笑顔が一番似合っているわ

だから……

その輝く笑顔絶やさないでね

 

 

いつまでも

お願いね

いつもでも……

お願いね

 

 

一年中を 思い出してごらん

あんなこと こんなこと あったでしょう

桃のお花も きれいに咲いて

もうすぐみんなは……

 

倖せになってね

私は―――――。

 

そんなに哀しい瞳にならないで

I’ll be right here waiting for you.

そう言いたいけれど

 

いまの私は、少しの間……

 

I miss you when I can’t sleep.

 

キエナイ想イ

sound by renka(piano)

 

「回想」

手を伸ばせば届きそうなくらい
近くにいたはずなのに

今はもう…
涙でかすんで見えない あなたの姿

初めて出会ってから
どれくらい経ったのでしょう
幾多の想い出は永遠です

住んでる街とは違う
遠い雪の町で出会って
目に映った君は真実で
その笑顔に心奪われた

「夢」

生まれてはじめて タバコを吸った
あなたの香りに 逢いたくて…

遠い昔のほんとに小さな夢の話

まだ見ぬあなたを夢で追いかけてた
小さな永遠の予感に心ときめかせて・・

出会えた事はほんとに突然の事で
別れた事もほんとに突然の事で

すべてを受け止められる事も出来ず
ただ、震える心をずっと慰めてた

「終焉」

お別れして よかった
なんて思ったり
自由って こんなに
素晴らしいなんて

嘘ばっかり

こんなに苦しいくせに
涙見せないように上向いて
大人してるつもり?

すべては想い出だなんて
微笑んで思いたいのに
溢れる想いは嘘じゃない

我慢なんてしないで
生きて行きたい
本当に愛してた…

永遠と言う名の楽園に
連れて行って
本当は2人
手を取り合って行きたかった

すべてが幻とは思わない
あなたとの空間
本当の瞬間
手を取り合って生きて行きたかった

「懐古」

そう、2人でみたあの景色
今はもう見えない景色
2人で歩いた光る道
今はもう歩く事もないだろう
いつも君は僕を待たせたね
でも、あなたを待つ時間
少しでも短くしたい だなんて
けっこう かわいかったよ

「幻想」

思えば 昔話
だけれど、目をつむると それは流れ星のように
流れ落ちる 星のかけら
見せたくないと、髪かきわけるフリして流した
想い出はとても辛いけど、とても苦しいけど
素晴らしい物を僕に与えてくれた
これからは1人
すれ違う事があっても、それは幻想の世界

「サクラ」

さよなら幻
暖かい春の風に 今は何も語らないでいよう
傷跡はだいぶ 癒えたみたい
そっと 歩みだすと 桜のはなびらが 足元に落ちたよ
この花びらが 春の終わりに どこかに消えていくように
君の笑顔も 思い出せなくなるのだろうか
暖かい歌を書けないと言った君に
僕がやわらかな悲恋の歌をあげよう

でもけして悲しまないで
地を埋め尽くす花びらが いつの間にか消えゆくように

君が僕を思い出せなくなっても
僕が君を思い出せなくなっても

きれいな桃色の花が咲いたことは事実だから――――

「密カ咲ク花」

白い雪が散ってゆく それは
僕の魂の欠片に見えた
心に深く刻まれた傷は やはり癒せやしない
誰にも――

僕は君の躯を抱き締めた
想い出よりも 僕の体のほうが風化していくね
冷たい手を握ってみても
心を絞るほど願っても 君はもう目を開けはしない
君が死んだ日に僕の心も死んだ
ただ抜け殻のように生きるだけ
誰を抱いても 閉じた心を開いたように見せかけても
実は君しか見ていない

誰かに君の残影を重ね
君と同じ名前を呼び
同じ名前で呼ばせ

ねぇ 君はこんな僕をどう思う?

あの時体も一緒に逝けば良かったのかな

精神なんてとうに壊れたのに
真白い雪だけがぱらぱらと僕の頬に降る
その冷たさが憎ましい
まだ感覚の残る体を棄ててしまいたい

惰力で生き
水面の上に浮かぶ泡みたいにうわべだけの愛を唱えて
本当は君しか愛していないはずなのに
それを偽っている

僕はいつでも君の躯を抱いている
無意識のうちに手を握ってる
腐らない美しい君の体を背負って
うわべの愛を唱え続けて
僕はやがて 腐敗していく
そして僕が地面になった後には一つの花が咲いて
君の傍でそっと花を咲かせる
花は種をつけて
やがて白い花で一面になる
その中で
美しい君が眠る

死んでからわかること

人生を終えて還るとき

人は何を思うのだろう?

それは、還る状態にもよる

私の場合は、特別何も思わなかった

脳みそや意識がはっきりしてる

苦しみや悲しみは とても苦しい

死んだ方がマシだと追い詰められて

わかる

それに、私はムリヤリ

生き返らせられたけれど

やはり、死んだ方がマシだと思った

「死ぬのは良くない」

誰もが言う、でもそれは

死んでみたらわかる事だろう

ウダウダ言っているうちは幸せなんだな

と、正直に思える

私はそういうのを通り越し 日常の中ですべて諦め

ウダウダも言わずに、還る道順だけを

しっかり準備して、何事もなく平穏に

さして何もせず、ニッコリと直前までして

自殺をした(ムリヤリ蘇生され未遂にさせられた)

意識がなかった長い時間は

世の中に縛られもせずに

縋ることもなく

少なくとも 幸せだった

生き返らせられて

また この世の苦しみに耐えている

一回、死ぬと世の中の見方がかなり

変わっていることに気が付いた

それによって、また繰り返す人

生きる道を選ぶ人

様々だろうけれど、生きる道を選んだ私でも

紙一重のように いつでも自殺できると断言できる

もはや躊躇なんてないからだ

私はキチンとした心理士系の資格を こんな奴だけれど

所有している

だけれど、名誉と金と権力にまみれた

特に「日本」は ものすごく生きるのが辛い

海外にいたころは、のびのびできていた

特にカナダなどでは、そんな日本の心理士系の

資格はアシスタント程度にしか役に立たないと

言われた(日本の臨床心理士でも)

安易かもしれない、すぐ定型文のように言う

精神科医や心理士系な人へ

いくら勉強や臨床経験を体験しても

一回死なないと永遠にわからない世界が

あるという事を

私は、生き返った後 そういう話をされたけど

笑ってしまうほどに 死ぬとはどういう事か

しらない医者や心理士が多い事がわかった

バカにしているのではない

経験がないと、理解はできない事が世の中

多いという事を言いたいだけだ

ただ、じゃ死んでみよう

それは難しい話だ

なら、そういう人の話から わからなくとも

数か月かけてでも、すべてを聞くくらいの事を

しないと、形だけの精神科医や心理士になってしまう

それは、正直に思った

元、心理屋として、いままでのクライアントに

何もできなかったのでは?

そう思うほどに 死んだ後と前では

言葉では言えないほどに

違う事が多すぎたからだ

 

 

参考までにしかならないが

 

※エリザベス・キューブラー・ロス の 有名な著書でも 読んだら多少

わかるかもしれない

精神医学系のバイブルと言われたが、読んだことがない精神医学系の医者も

心理屋も多いようだ。なんともお粗末な世の中だと真面目に思う

 

貴方が恋しくてたまらない

sound by renka  – I miss you so bad

 

夜の始まり

いつもより
少し着飾った街並み

そんな季節

 

フト見渡すと

どことなく何かを見つめるように
目の前のどこでもない空間を見つめている
そんな人たちが多い事に気がつく

 

そして

どことなく見つめていたような
そう思える意中の人が現れると
零れるように咲く花のような笑顔で
迎えいれ

 

1人
また1人と

待ち人は姿を消してゆく

 

そんな街の情景

 

懐かしさに駆られる私

封じ込めた想い

うらはらに溢れだす想いを
流さぬように空を見た

 

そんな空の輝きが少し薄れて見える

 

毎年少しずつ
華やかに彩られ膨らむ
この街並みに

 

時間が想いより
越えるように過ぎているみたいだった

 

そんな情景は現実?

少し瞼を伏せ
想いを巡らせ
瞼を開いてみる

 

でも
同じ街並みが目の前に広がるだけだった

 

それは
たしかに

 

時間が想いより

華やかに彩られ膨らむ分だけ

越えるように過ぎているんだと

 

私の想いが
気が付かされる

 

そんな
少し着飾った街の情景だった

 

 

シロツメクサ

sound by renka  – deep sorrow

 

甘い香りさえ漂うかのような草原。
2人でひた走った。

追いかければ逃げる。
追いつけばつかまる。

追いつけるような速さで、
そんな繰り返し……

 

「もう離さないよ」

彼が私を抱きしめ囁く。

 

私は、私の体に蔦のように絡まる腕の中で、
静かに頷いた。

 

「素敵な花を見つけたよ!」

そう、私は言いながら彼に見せた。

 

「シロツメクサ?」

「そうよ、ホワイトクローバー」
「これで、お花の冠作ればお姫様になれる?」

なんだか照れてしまって、
そんな事を言うが早く逃げる私。

繰り返される幸せな時間。

 

「イタッ!」

 

「どうした??」

彼が私のもとへ来た時には、
その毒牙持つ奴は逃げていた。

 

「早く病院へ!」

大きな彼の声が草原にこだました。

 

「ごめんなさい……」

 

—–

 

「どう?気が付いた?」

 

「ママ?パパ!……あなた。」

 

どうやら、あの時に私は、
気を失って崩れ落ちたようだった。

見慣れない白い壁に揺れるカーテンを見ながら、
少しずつ記憶の整理。

 

自分で自分を確かめる。

1つづつ、1つづつ。

それに、現実と心を重ねるのに時間がかかった。

 

「そう、思ったより場所が悪かったのね」

軸足となる右足の膝から下は何もなかった。

 

「大丈夫だよ!あの草原だって、また行こうよ!」

 

その言葉から、何日が過ぎただろう。
私は退院した。

 

—–

 

車椅子生活は楽しくなかった。
彼はいろいろとサポートしてくれる。
素直に嬉しかった。

ただ、都会では味わえない、シロツメクサ一面
そんな草原や自然を彼と巡るのが、私にとって
一番好きだった。

季節を越えて、草木が結晶の下に眠るころ。
私と彼には微妙な溝が出来かけていた。

 

「あなたになんか!私の気持ちわかるわけないっ!」

献身的な彼に対しての私のレスポンスはいつも、
ビードロガラスで見たように、言葉も歪んでいた。

 

「じゃ、少し行ってくるよ」

彼は仕事の都合で、一週間ばかりの出張。
特別に珍しくはなかった事。

 

ただ、意外と脆くなってる心をそれは認め。
ヒビが入った心からにじみ出るように溢れる
気持ちが、逆に突き刺さり痛い。

慟哭した。

 

—–

 

緑の息吹が感じられるほどに、時間が過ぎた。

 

甘い香りさえ漂うかのような草原。
2人でひた走った。

追いかければ逃げる。
追いつけばつかまる。

 

「あの草原に行きたいな……」

 

「そうだな」

 

少し郊外に出ようと、出発した「あの草原」は、
なかなか簡単にいける場所ではないのは知っている。

 

「ねぇ……」

 

「どうした?」

 

「沢山のシロツメクサを取ってきて欲しいの」
「ね、いいでしょ……あの匂いに触れたいの」

 

「うん、わかったよ。今度の休みの日に取ってくるよ」

 

「ありがとう」

 

—–

 

「もう離さないよ」

彼が私を抱きしめ囁く。

 

私は、私の体に蔦のように絡まる腕の中で、
静かに頷いた

 

あの気持ちにお互い嘘偽りはなくとも、
世の中には、難しく揺れる心がある事を知った。

 

「約束……か」

 

—–

 

今日は、何かと忙しい日になった。
彼が私のもとへ来た。

 

「シロツメクサの花の冠だぞ?」

「そうさ、世界で一番綺麗なお姫様だよ」

そう言い私の頭に被せ、彼が頬に優しいkissをくれた。

 

もしかしたら、私にとって最も微睡むようにとどまりたい時間。

 

「シロツメクサ。ホワイトクローバー。」

「私を想って……か。忘れないよ。」

 

そう、彼が彼自身に呟いたころ。

 

私は形を無くした。