マンドレイク

 

音の聞こえない世界では 叫びは聞こえないだろう
悲しくも儚い 叫びに応えるように 捧げる命さえも
音の聞こえない世界では 無情な感情になるのだろうか?

永遠の栄光のために、叫ぶ子犬の叫びは
あの人には 永遠に 届かない……

 

歯を食いしばって 生かされる世の中で
滴り落ちる点滴のように 滴るは……命の真紅の証

流るる川の水面に永遠に留まることがないように
永遠に続くかもしれない 流れの中の蜃気楼のような闇

真紅の証をその水面に そっと捧げたとき
水面には とても美しい真紅の結晶が 描かれるのかもしれない

そう、そこに、私の真紅の証をすべて 捧げた後に……

 

還る場所があればいい なんて 思ってみても
夢 というおとぎ話を 頭の中で繰り返し唱えてみても
空 見上げれば、まるで目眩を覚えたかのように 揺れている

ゆりかごの中で、最初の愛を囁かれ
暖かいKISSをもらい
素敵な時間をもらっていたかもしれない ムカシ

いろんなものを 追いかけるために 靴もぬげて
裸足で走ったんだ 裸足でずっと走っていたんだ
どんな道でも走ってみたんだ そんな時もあったんだ

フト何かが見えた 重なるガラス張りの世界
足の裏に滲む暖かい朱 それを何かの錯覚と思い
360度みてみた でも 同じ私が同じ私を見ていた

 

そして、初めて叫んだんだ

なぜだか、とても痛かったんだ

 

ゆりかごではない中で 最後の愛を囁かれ
あの時とは違う暖かいKISSをもらい
素敵な時間をもらいながら……

私は還ってゆく  私は還ってゆく……

 

私の最初で最後の叫び

永遠の栄光のために、叫ぶ子犬の叫びは

 

あの人には 永遠に 届かない……

私の叫びも 永遠に 届かない……

 

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